真理関数(しんりかんすう、英:Truth function) とは、数理論理学において、真理値の各変数の変域と終集合とがそれぞれ『「真な命題」と「偽な命題」のみから成る集合』に等しいような写像である。真理関数は命題関数でもある。

定義

真理関数を定義する為に次の 2 つの記号を用いる。

  1. 真な命題を表す記号 : {\displaystyle \curlyvee }
  2. 偽な命題を表す記号 : {\displaystyle \curlywedge }

L {\displaystyle \curlyvee } {\displaystyle \curlywedge } とだけから成る集合とし、n を自然数とする。そのとき、n 個の L の直積 i = 1 n L {\displaystyle \prod _{i=1}^{n}L} から L への写像を n 変数の真理関数という。

主な真理関数

1 変数の真理関数 ¬ と 2 変数の真理関数 ∨、∧ とはそれぞれ以下の等式で定義される。ただし、ABL の元の変数である。

AA∨BA∧B をそれぞれ、A否定AB との論理和AB との論理積という。n 変数の真理関数は全部で 2 2 n {\displaystyle 2^{2^{n}}} 個ある。

真理値表

真理関数の定義を真理値表という表を用いて示すことがある。

真理値表は次のように見る。¬ の真理値表の第 1 行は 「 A = {\displaystyle \curlyvee } であるとき、¬A = {\displaystyle \curlywedge } である 」 を意味する。∨ の真理値表の第 2 行は 「 A = {\displaystyle \curlyvee } B = {\displaystyle \curlywedge } であるとき、A∨B = {\displaystyle \curlyvee } である 」 を意味する。∧ の真理値表の第 3 行は 「 A = {\displaystyle \curlywedge } B = {\displaystyle \curlyvee } であるとき、A∧B = {\displaystyle \curlywedge } である 」 を意味する。

真理集合

Fn 変数の真理関数とするとき、F(X) = {\displaystyle \curlyvee } を満たす i = 1 n L {\displaystyle \prod _{i=1}^{n}L} の元 X 全体から成る集合を F真理集合といい、[F] で表わす。


2 つの真理関数 FG とが等しいことは、F の真理集合と G の真理集合とが等しい為の必要十分条件である。

関連項目

  • 数学基礎論、数理論理学、命題論理、ブール代数
  • 否定、論理和、論理積、同値、否定論理積、真理値表
  • 無矛盾律、排中律、交換法則、結合法則、分配法則、吸収法則、ド・モルガンの法則
  • 命題関数、選言標準形、連言標準形

参考文献

  • 前原昭二、復刊 数理論理学序説、共立出版株式会社、2010。

Images of 真理値 JapaneseClass.jp

【まとめ001】真理値表の基本-数理論理学 | 数学:細かすぎる証明・計算

【電験三種】一味違う真理値表を使った順序回路の解析法【平成14年度 機械 問11】 YouTube

論理回路と真理値表、なぜANDが論理積でORが論理和なのかについても わかりやすく【高校 情報Ⅰ、共通テスト向け】

陰関数とは?陽関数との違い、微分公式やグラフの書き方 受験辞典